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燃料の削減効果

IMG_0946.JPG ハウスの暖房機設定温度、外気温、日射等の気象条件、炊く薪の乾燥具合、炊き方や頻度などにより、薪ストーブ利用による燃料削減量は異なり、一定の基準を記載することは困難ですが、農家さんからいただいた意見や、農家さんからいただいた燃料消費量のデータから試算した内容を紹介します。

《農家さんの声》
 ある農家さんでは、燃料計を設置してデータをとったところ、冬期にハウスの温度を6度設定とした場合、3.8リットル/hの暖房機器が実際の燃焼時間で5.5時間から6時間、夜間に稼働したそうです。夜間に暖房機器が稼働しない頻度で薪をたくことで、一晩で約23リットルの節約、10棟で230リットルの節約につながるとのことでした。灯油代を掛け合わせると、一晩で2万円以上の節約になり、冬期間全体で考えると労力負担をはるかに上回るといったご意見でした。
 また、別の農家さんでは、暖房機のみだと500リットルタンクが7日~10日でなくなるが、薪ストーブを併用すると1ヶ月で2回ほどの給油量に落ちるということでした。

《燃料消費量の比較結果》
 いくつかの農家さんにご協力いただき、薪ストーブと灯油等暖房機器を併用して利用するハウスと、灯油等暖房機器だけを利用するハウスとで、同じ期間での燃料消費量を比較しました。比較するハウスとは、ハウス内の設定温度、被覆枚数、被覆資材などの条件は同一で、ハウスの面積と暖房機器の効率は比較をする際に補正を行いました。
 灯油などの燃料削減割合は、薪の焚く頻度や燃やした薪の材積、設定温度により変わってきますが、割合が小さいもので22%、大きいもので94%の削減になっていました。
 一例をご紹介すると、12月31日から2月19日までの間、比較をしたハウス(254平米)では灯油の消費量が1618リットルで、薪ストーブを併用したハウス(270平米)では、686リットルでした。ハウスの大きさを補正して比べると、燃料削減量は1034リットルになり、約60%の燃料削減になります。この間、152回薪ストーブを焚き、13.67立米の薪を使用していたので、計算上は、ドラム缶利用ストーブで1回に約0.09立米の薪を焚くことで6.8リットルの灯油削減になっていました。
 燃料代の削減効果でみてみると、削減した灯油代から使った薪代を引くと(※)、約5万8千円の節約になっていて、燃料代の削減割合は約32%でした。
(※)灯油を1リットル105円、薪1立法メートルを3,675円で計算

 ハウスの条件や薪の焚き方により、削減量などは大きく変わってきますが、値として削減されていることがわかります。 

二酸化炭素削減効果

IMG_0378.jpg 二酸化炭素削減量は、削減した燃料に、排出係数(燃料1キロリットルを燃やすと排出される二酸化炭素の量)を掛けることで求めることができます。
 木は燃やすと灯油などと同じように二酸化炭素は排出されますが、数十年の期間でみれば、新しく木が育つことで排出された二酸化炭素はまた木に蓄えられるので、地球上の二酸化炭素濃度を増加させる原因(温暖化の原因)としてはカウントされず、木を燃やしても二酸化炭素排出はないという考えとなっています(カーボンニュートラル)。
 薪を燃やしても二酸化炭素を削減したことにはならず、「排出されない」ということですが、灯油などを燃やしていた替わりに薪を焚くことで、本来燃やしていたはずの灯油などが利用されなかったため、排出されるはずの二酸化炭素量が削減されたとみなします。

《13戸の農家における薪ストーブ利用による削減量》
 今回、13戸の農家さんに35台の薪ストーブを導入いただき、様々なデータを記録してもらいました。詳細なデータの掲載は割愛しますが、以下の算定結果が得られました。
 ・使用した薪の総量:460.3立方メートル(平均13.9立方メートル)
 ・節約された燃料合計:32,889リットル(平均997リットル)
 ・チェンソーによるガソリン使用量:523リットル
 ・循環扇の使用による消費電力量:18,634kWh

  二酸化炭素削減量:57.3tCO2

《計算の具体例》
 「燃料削減効果」に記載したハウスの値を使うと、1,034リットルの灯油を節約したことで削減された二酸化炭素は、以下の値になります。
 1,034リットル/1,000×2.49tCO2/kl=2.57tCO2 ・・・・①

 この値から、薪ストーブを使うことで逆に排出してしまった二酸化炭素量を差し引きます。
 薪ストーブを使うためにチェンソーを利用して排出した二酸化炭素量を計算します。
 森林組合さんに聞いた数値では、17.6立方メートルの丸太を80cmの長さに切るために約20リットルのガソリンを使うので、13.67立方メートルの丸太を切断する際に必要なガソリンは、
 20リットル×13.67立方メートル/17.6立方メートル=15.5リットル
排出される二酸化炭素は、以下の値になります。
 15.5リットル/1,000×2.32tCO2/kl=0.036tCO2 ・・・・②

 次に、薪ストーブの熱をハウス内で循環させる扇風機の利用により排出した二酸化炭素量を計算します。使用期間、1日の稼働時間、循環扇の個数、循環扇の消費電力から薪ストーブ使用期間の消費電力量を求めると、このハウスでは、131.3kwhとなります。この電力量を使用したことにより排出される二酸化炭素は以下の値になります。
 131.3kwh×0.000688tCO2/kwh=0.090tCO2 ・・・・③

 これらより、このハウスで薪ストーブを利用することで削減された二酸化炭素量は、以下の値になります。
 ①‐②‐③=2.57tCO2‐0.036tCO2‐0.090tCO2=2.4tCO2

なお、薪を運ぶ際に利用したトラックなどから排出される二酸化炭素は、灯油などでも燃料の運搬は行われる点で同様なため、近場の輸送は計算から除外しています。