廃棄物処理と温暖化対策(実施地域:稚内市 取材年月:2013年10月)

廃棄物の中間処理と自然エネルギーの活用(稚内市)

最先端の環境技術で生ごみからエネルギーを回収する

wakanai1_photo1.JPG稚内市には、廃棄物の減容化をすすめる生ごみ中間処理施設「バイオエネルギーセンター」があります。本センターでは、廃棄物の減容処理に際して発生するバイオマスエネルギー※1を活用して温室効果ガスを削減しています。
このバイオエネルギーセンターを始め、日本最大級の風力発電や太陽光発電施設を有し、平成23年3月には環境都市を宣言した、人と地球にやさしい環境都市 稚内市の取組みを紹介します。

※1 バイオマスエネルギーとは
生物由来の有機物(薪や動物の糞尿等)でエネルギー源としての利用が可能なものをいいます。バイオマスは生成過程で大気中からCO₂を吸収するため、エネルギーとして燃焼させても、大気中のCO₂を増やしません。(これを「カーボン・ニュートラル」と言います。)

(稚内市の紹介)
稚内市は、日本の最北端に位置する「水産」「酪農」「観光」を基幹産業とする宗谷地方の行政、経済の中心地です。一年を通して風が強いその地域特性を活かして、早くから風力による発電が行われてきました。近年は、太陽光発電や燃料電池、雪氷エネルギーの活用など様々な再生可能エネルギーの活用を進めています。

埋立処理から中間処理施設への転換で環境負荷を低減
バイオエネルギーセンターが完成する以前の稚内市では、家庭から排出されるごみは埋め立てによる処理を行っていました。その当時、一日一人当たりのごみの量は全国平均を上回り、リサイクル率は下回るという状況になっていました。
そこで、既存の埋め立て処分場の容量が限界を迎えようとしていたことをきっかけに、ごみの減量化の取組みを本格的に始めることとなりました。有料のごみ袋を導入し、ごみを減らすよう啓発に取組むと共に、生ごみ中間処理施設「バイオエネルギーセンター」の建設が計画されました。

この施設は、家庭から排出される生ごみや紙類、廃食用油の他に下水汚泥、水産汚泥を受け入れています。施設では、メタン発酵による工程で得られるバイオガスにより、電力、温水、圧縮天然ガス(CNG)、蒸気を生成しています。これらは、エネルギーとして活用され、省エネに貢献しています。このうち電力は、施設内で利用することのほかに余剰分は電力会社へ売電しています。

外灯には太陽光発電や風力発電を活用しています
wakanai1_photo3.jpg外灯の頭頂部にはソーラーパネルが設置され、その下にはデザイン性に優れた風車が搭載されています。細かなところにも環境に配慮した設備が整えられています。
本センターは、見学施設としての機能も備えており、稚内市内の小学校が環境学習の一環として訪れたり、環境問題に関心のある市民が視察に訪れています。
(右写真:施設敷地内の外灯)




市内の生ごみ収集車はバイオガスで走っています 
wakanai1_photo4.jpg処理工程で発生する圧縮天然ガス(CNG)は、生ゴミ収集車の燃料として活用されています。
市内に2台あるCNGを燃料として走行する生ゴミ収集車は、市民の環境配慮に対する関心を高めることに貢献しています。
(右写真:CNG燃料のゴミ収集車(写真提供:稚内市))

副産物は堆肥として市民に配布しています
処理工程で発生する残渣は、堆肥として活用されています。この施設では、農業協働組合や希望者(市民)に対し、乾燥残渣を堆肥として無料提供しています。
副産物の活用は、更なるごみ減量化やリサイクルの推進にも繋がっています。


[この取組によるCO₂削減量]
バイオマスエネルギーの活用により年間3,427t-CO₂を削減(平成24年度)

バイオエネルギーセンタ―には、生ごみから電力を回収する最先端の環境技術が用いられています。そのため道内だけでなく、道外からも視察要請が相次いでいるといいます。こういった環境にもやさしいエネルギー施設の普及が今後、期待されます。

[稚内市バイオエネルギーセンターに関するお問い合わせ]

  稚内市役所 生活福祉部生活衛生課
   住所:稚内市中央3丁目13番15号
   電話:(0162)23-6161(内線455)