実験住宅と温暖化対策(実施地域:大樹町 取材年月:2013年11月)

寒冷地に対応した住環境技術を研究(公益財団法人LIXIL住生活財団)

厳しい寒冷地気候に対応する住宅の「断熱・熱利用」技術を研究

IMG_2068.JPG大樹町には公益財団法人LIXIL住生活財団の研究施設「メム メドウズ」があります。この施設では、厳しい寒冷地での住宅建築の研究が進められています。
平成23年に開設され、「断熱」「熱利用」などをテーマに独創的な研究が進められています。研究フィールドとして、企業・研究者等に広くその活用機会を提供しており、現在5棟の実験住宅が建てられています。
実験住宅における削減効果などは今後検証を進めるとのことですが、寒さの厳しい北海道ならではの温暖化対策にもつながることも期待できることから、「メム メドウズ」について紹介します。

(公益財団法人LIXIL住生活財団の紹介)
公益財団法人LIXIL住生活財団は、住宅・建材産業分野における調査研究の充実、内外関係機関等との交流、協力を通し、環境に配慮した住生活の実現を持って国民生活の向上、産業経済の発展に寄与することを目的に設立された公益財団法人です。
研究助成や国際建築コンペの開催、また、メム メドウズにおける環境技術研究などを主な事業として実施しています。

厳しい気象環境の下、住環境技術を研究しています
冬の最低気温がマイナス30℃にもなる大樹町の気象環境は、住宅を建設するには非常に厳しい環境です。しかし、ヨーロッパや北米なども含めて見ると、厳しい気象環境下における住宅需要は決して小さいものではありません。そこで、海外に誇るべく最先端の断熱・エネルギー技術など研究を進めるべく、あえてこの大樹町に「メム メドウズ」が開設されました。
かつては競走馬を育てるための施設であったこの場所には、極力建物を再利用する形でラボ棟やレストラン、多目的広場が造られています。

実験住宅の建設が進められています 
IMG_2059.JPG「メム メドウズ」のシンボルとなっている寒冷地実験住宅「メームmemu」は、アイヌの住宅「チセ」にアイデアを得て建設され、他に例のない「断熱」「地中熱」「明かり」の活用をテーマに建設されました。外壁はテント布地を活用し、透明の断熱材とガラスクロスによって暖かさを確保しています。日中は外の光が建物内部に届き、夜は建物内部の明りが外に漏れ出す幻想的な空間となっています。
LIXIL住生活財団が実施しているコンペでの優良提案については、メム メドウズ内において実際に建築する場を提供しています。これまでに建築された実験住宅をご紹介します。

<町まとう家> 
taiki1_photo4.jpg道東における地域の資源といえる「牧草」を利用した実験住宅です。外壁には断熱材として牧草を利用しており、また室内は牧草の発酵熱を利用して暖めています。






<BARN HOUSE> 
IMG_2078.JPG馬とともにある家がコンセプト。馬糞の発酵熱で室内を暖める実験住宅です。室内に馬糞の発酵槽を設置し、そこに水を通して熱交換をおこない温水を循環させるしくみになっています。






これらは実験を目的とした住宅であり、人は住んでいません。
そのため、実験住宅で利用されている暖房設備が、実際に人が住む環境と比較して、どの程度の省エネ性能があるか等の検証は今後の取組みになるとのことでした。

「メム メドウズ」では今後、「企業・研究者による住宅研究施設としての活用」「蓄積してきた研究成果の発信」「地域住民にも活用いただける場の提供」の3つについて力を入れるそうです。
 実際に「地域住民に活用いただける場」については、現在計画が進行中とのことです。
 北海道の家庭では、年間を通して暖房利用によるCO₂排出量が最も多い地域となっています。温暖化対策の視点からも、今後の「メム メドウズ」による「断熱・熱利用」技術の開発が期待されます。

[メム メドウズに関するお問い合わせ]
 
  公益財団法人LIXIL住生活財団
   住所:広尾郡大樹町字芽武158-1
    ※施設の見学・ご利用については、以下サイトの「施設見学・利用について」をご確認の上、
      「お問い合わせフォーム」よりお申込をお願いします。
       http://lixiljsfound.blghp.jp/category/1835702.html