地産地消で温暖化対策(実施地域:置戸町 取材年月:2015年10月)

こども園の給食(認定こども園置戸町子どもセンターどんぐり)

ある日の給食
photo1.jpg・ふきご飯・・・学校給食センターの職員を中心に関係者総出で採取した、町内に自生するふきを使用
・ヤーコンきんぴら・・・地元の特産であるヤーコンを使用
・かぼじゃが団子汁・・・町内産のかぼちゃ、ジャガイモ、たまねぎを使った味噌汁。味噌は道産大豆使用、出汁は道産昆布と鰹節を使用
・白花豆の甘煮・・・町内産の白花豆を使用
・鹿かつ・・・エゾシカ肉認証取得済の工場で処理された肉を使用


 これは、認定こども園置戸町子どもセンターどんぐり(以下、「どんぐり」)で出された「おけと馬力給食」です。
photo2.jpg 置戸町は、地元の食材中心で、添加物や化学調味料をできるだけ使わない給食を提供するまちとして知られています。地域で生産されたものを地域内で消費する「地産地消」は、地域活性化に貢献し、さらに食材を長距離運ぶ必要がないので、運搬時に発生する二酸化炭素の排出量を抑えることができます。
 「どんぐり」は、この「おけと馬力給食」で、第7回地産地消給食等メニューコンテスト学校給食・社員食堂部門で農林水産大臣賞を受賞し、高く評価されました。

保育の一環として取り組む食育
photo3.jpg現在「どんぐり」で栄養士を務める太田晶さんは、置戸町の給食の取り組みに感銘を受け、置戸町で働きたいと3年前に赴任しました。前年度に就任した佐久間光昭理事長と共に、子どもの味覚と健やかな成長を第一に考えて、地産地消かつ添加物を使用しない調味料を使った給食を提供するため、日々奔走しています。
 さらに、食べることを通して子どもたちの健康な体と脳を作ることや、誰と何を食べるのかに関心を持ち、いただく命や料理を作る楽しさ、作ってもらうことに対して感謝できる子どもを育てたいと、食育にも力を入れています。
 食材がどうやってできるのかを子どもたちにも知ってもらうために、「どんぐり」の敷地内に畑を作って子どもたちと野菜を栽培したり、園児の親も多く所属する地元農家や酪農家青年部の協力を得て、畑で10種類以上の野菜を育てたり、子牛交流会を開催したりしています。また、収穫した野菜や地元の食材を使って、自分たちで調理する料理教室も少なくとも毎月一回定期的に開催しています。
 「一日三食のうち、『どんぐり』で食べるのは一食だけ。それでも親から子どもをお預かりしている以上、食を通して心身の成長を育むために職員が一体となって取り組んでいます」と、太田さんと佐久間理事長は口をそろえます。
photo4.jpg 「給食の提供は、食材を集めるところから始まります。私の赴任前は、業者に食材を一括注文していましたが、今は旬の食材、地元の食材に合わせて、違う業者に発注しています。業者から調達できないものは、直接産地から納品しています。まちの規模が小さく、欲しい食材の数量と仕入れられる数量の兼ね合いなど問題はありますが、献立を工夫して地元の食材を使用していますし、生産者をはじめ地域の人たちにも理解していただき、協力を得られています。
 このようなやり方で給食を作るには、体力と精神力、時間、そしてお金もかかります。ですが、人間は6歳までに全ての神経が育つと言われており、『どんぐり』の園児たちは、まさにその時期に当たります。だからこそ、旬の様々な食材を食べてもらい、調味料にもこだわる必要があると考えています。一日のうちたった一食だったとしても『食べられればいい』のではなく、子どもたちに食事の大切さと楽しさを知ってもらうために、日々取り組んでいます」(太田さん)。
 太田さんや調理スタッフの努力、地域の人たちの協力の甲斐があって、地産地消の給食に重きを置くようになってから、子どもたちの食べ残しは以前に比べ半分以下に減ったそうです。
 「どんぐり」の取り組みは、子どもたちに向けたものだけにとどまりません。町内の栄養士たちを集めて勉強や情報交換の場に参加しているほか、保護者を対象とした講演会や試食会を開催して、食に対する意識を高め、家庭の食環境にも働きかけをしています。

photo6.jpg

子どもたちの記憶に残る、ふるさとの味になりたい
 これから子どもたちにどんな「美味しい体験」を提供したいか、お二人に聞いてみました。
 「これからやってみたいのは、収穫祭です。畑に収穫に行って、その場で採れたものを食べてゆっくり過ごしたい。魚をさばく料理教室もやってみたいと考えています。
 10年以上前ですが、町の若者が成人式で『給食で食べたドライカレー』を食べたいといっていました。そんなふうに、将来、置戸町から離れても『帰りたいな』とか、『置戸の野菜は美味しかった』と思い出してもらえるような給食を提供したいと思っています」。

photo7.jpg


【写真1】「おけと馬力給食」。使用した食材の約7割が道内産。
【写真2】出されるおやつは全て手作り。自分たちで収穫した野菜がおやつのこともある。
【写真3】粉類は北海道産、調味料は国産無添加のものを使用。
【写真4】園内にある調理室はガラス張りになっているので、子どもたちも覗きに来るそう。
【子どもたちの写真】給食、料理教室、畑の作業にて、「どんぐり」の子どもたち。
 ※写真提供:認定こども園置戸町子どもセンターどんぐり

[こども園の給食 に関するお問合せ]    ・本事例のPDFはこちら

認定こども園置戸町子どもセンターどんぐり
(常呂郡置戸町字置戸398-85)
TEL 0157-52-3851 FAX 0157-52-3300
photo5.jpg

佐久間理事長(左)と、栄養士の太田さん(右)。