稲わらで温暖化対策(実施地域:南幌町 取材年月:2013年9月)

稲わらペレットの利活用(南幌町まちづくり課企画情報グループ)

稲わらをエネルギーに
地元で生産、地元で消費による循環型エネルギー活用への挑戦

nanporo1_photo1.JPG南幌町では、町独自で開発した「稲わら※1」を原料としたペレットの製造とその利活用に取組んでいます。現在、「稲わらペレット」は、町営温泉施設の給湯用ボイラーで活用されています。
南幌町の基幹産業である農業から出る稲わらをバイオマスエネルギーとして資源化し、ペレットの原料に活用する取組は全国でも初の試みとなっています。地域のバイオマス資源を活用し、稲作地帯における地域循環型社会づくりを目指す南幌町の取組を紹介します。

※1 「稲わら」とは?
 収穫した稲のモミを取り去ったもの。一般的には、畑に肥料としての鋤き込みや家畜の飼料などに利用されています。

(南幌町の紹介)
南幌町は、農業を基幹産業とする高丘地のない平坦な地域です。北海道内屈指の米どころとして発展してきたまちで、近年では野菜などの畑作も盛んになってきています。人や環境に優しいクリーン農業にいち早く取組み、安全で新鮮な作物の供給に力を注いでいます。

稲わらの利活用を模索する中で生まれた燃料化事業 

稲わらを水田に肥料として鋤き込む場合は、透排水性のよい乾田を対象とすることが基本です。しかし、南幌町は、泥炭地質であり鋤き込んだ稲わらの分解が遅い湿田の多い地域であるためメタンガスが発生することや、水田に窒素が増えることにより、米のタンパク含有量が増え、米の食味に影響を及ぼすことも懸念されており、町では鋤き込み以外での稲わらの利活用が課題となっていました。
稲わらの有効活用を図ることで、地域特性にあった新エネルギーの導入を図れないか、そんな思いから考案されたのが稲わらをペレット燃料として活用する取組みでした。

南幌町では、この取組みを通して、地域の活性化と循環型社会の形成を図るため、原料の調達からペレットの製造、消費を町内で全て行うことを目指して、地元企業等と連携して取組みを進めています。

燃焼時の稲わら特有の性質

nanporo1_photo3.JPG南幌町では、平成21年から稲わらペレットの実用化に向けて地元企業や研究機関と協力し、燃料としての性質に関する基礎的データの収集を行うとともに、燃料化の方法、経済性や事業形態の検討など、実用化に向けた調査や実証的な取組みを進めてきました。
その結果、稲わらペレットは、木質ペレットに比べて発熱量が低く、灰分が多いなどといった特性や燃焼実験等により固形化しやすいということもわかってきています。
燃料として利用するためには、これらの性質を踏まえた専用の設備が必要になります。
現在、先導的活用として南幌町内にある温泉施設「なんぽろ温泉ハート&ハート」の給湯用ボイラーに導入されています。
(右写真:稲わらペレット)

nanporo1_photo4.JPGこのボイラーでは、稲わらの発熱量の低さを解決する手法として木質と稲わらのペレットを1:1で混合し、燃焼させています。また、燃焼後の灰が固形化し、ボイラー内に蓄積するといった課題を解決するためにボイラーの下には、灰を砕くための装置が設置されています。
(右写真:燃焼後に固形化したペレット)




今後は、ストーブとしての活用も目指します 
これまでの取組みによって稲わらの燃料としての有効性が確認できたことから、町としては今後、このCO₂の削減にも貢献できる稲わら燃料を町内に普及させることで町民の環境意識の高揚につなげていきたいと考えています。そのため、まずは町役場の暖房用として試験的に、稲わらペレットを燃料とするストーブを導入しています。

[この取組によるCO₂削減量]
2年間の試験的導入で約174t-CO₂を削減(平成23年度、平成24年度)


南幌町の取組みは、農業経営経費の節減などによる経済効果や自然との調和、CO₂の削減による環境保全を通して「稲作地帯におけるバイオマス資源を活用した地域循環型社会づくり」を進めることによって地域活性化を目指す取組みです。
今後もこのような地域の資源や特性を活かした循環型社会づくりが各地に浸透してゆくことが期待されます。

[稲わらペレットの利活用に関するお問い合わせ先]

  南幌町役場 まちづくり課企画情報グループ
   住所:空知郡南幌町南10線西14番地
   電話:(011)378-2121(内線241)