太陽光発電で温暖化対策(実施地域:北見市 取材年月:2013年10月)

両面太陽光発電実証試験(PVG Solutions㈱・伊藤組土建㈱・㈱KITABA・北見工業大学・北見市・北海道庁)

両面受光型の太陽電池で反射・乱反射される光も吸収
片面受光型に比べて発電量アップを実現

kitami1_photo1.JPG表と裏の両面で発電が可能な太陽電池を用いて、積雪と地面に敷いたホタテ貝殻の反射光により年間を通じて発電量の高効率化を検証する試験研究が北見市内で行われています。
この実証試験は、冷涼な気候でありながら全国でもトップクラスの日射量と地域の特産である「ホタテ」の貝殻を用いるなど、地域特性や資源を活用した取組みとして注目されています。冬の大半は雪に覆われ、太陽光発電の導入には不利な地域とみられている北海道において、日照時間の長い夏のみに限らず積雪期についても発電量向上を目指す取組みを紹介します。

(PVG Solutions株式会社の紹介)
PVG Solutions株式会社は、本社を神奈川県に持つ高効率両面受光型太陽電池セルを開発・製造・販売する技術コンサルティング会社です。札幌市に所在する北海道支店は、北海道・東北地域の営業拠点となっています。

産学官連携で取組んでいます

この実証試験は、北海道庁のタイアップ事業として、北見市の協力のもとPVG Solutions株式会社をはじめとして、伊藤組土建株式会社、株式会社KITABA、北見工業大学で構成されるコンソーシアムによるプロジェクトとして実施されています。企業が持つモノづくりの技術、大学が持つ計測・分析能力、行政が持つネットワークを各所に活かされた取組みとなっています。

この実証試験は、2012年10月から北見ハイテクパークで開始され、3年間の計画で行われています。
気温低下により発電効率が向上する結晶シリコン系太陽電池を用いて、冬季は積雪による雪の反射光を、夏季は地面にホタテの貝殻の粉砕物を敷設することによる反射光の効果を検証しています。

雪の反射光には高い発電能力がある
kitami1_photo3.JPG実証試験は、片面モジュールの1.1~1.5倍の発電量を持つとされる両面受光モジュールを用いて、発電量20%増を目標に進められています。
2013年10月現在、発電量の増加率としては最大である23.7%が今年3月のデータで確認され、雪の反射光により発電効率が高まることが実証されています。また、夏季においては、最大増加率は23.3%が確認されており、地面が芝の場合とホタテ貝殻の場合との比較では、どの月においてもホタテ貝殻を敷設した方が高くなることが示されています。
(右写真:ホタテ貝殻側の両面受光モジュール)

ホタテの貝殻には意外な効果も期待できます
kitami1_photo4.JPG太陽光発電では、雑草対策が近年、課題となっています。モジュール周辺の雑草を放置しておくと、光の遮断による発電量の低下やモジュールの故障にもつながることがあると言われています。
試験地で使用されているホタテの貝殻には、雑草を抑制する効果があることも実証されています。貝殻を用いることによって発電量の向上だけでなく、雑草対策の経費軽減にも効果を発揮しています。
(右写真:地面に敷設しているホタテの貝殻)

[この取組によるCO₂削減量]
片面モジュールに比べて発電効率20%向上を実現

両面受光型モジュールの実用例として、道内では保育園のフェンスへの活用やメガソーラ発電所での活用があり、今後、高速道路の防音壁などへの活用も期待されています。
雪の反射光の活用や垂直設置によるモジュール面への積雪防止など、雪国のハンディキャップを克服する技術の普及が期待されます。

[両面太陽光発電実証試験に関するお問い合わせ]

  PVG Solutions株式会社 北海道支店
   住所:札幌市北区北13条西3丁目2-1北13条ビル2F
   電話:(011)700-1655