防災と温暖化対策(実施地域:羽幌町 取材年月:2013年10月)

羽幌町エコアイランド構想実証プロジェクト(羽幌町・北海道三菱自動車販売㈱・
ゼファー㈱・㈱ウインドエコー・北海道留萌振興局)

自然エネルギーの導入により
緊急時に島民を守る。人と海鳥が共生する島の新たな挑戦

haboro1_photo1.JPG天売島では、自然・環境に配慮した島の活性化を目指し、「羽幌町エコアイランド構想実証プロジェクト」事業が始動しています。
エコアイラインド構想実証プロジェクトは、「島の自然や環境の保全」「地域振興や住民の安全安心の向上」そして「観光客増による持続可能な地域づくり」を進めるもので、小型風車や太陽光発電など自然エネルギーの活用に取組んでいます。
人と海鳥が共生し、安全に暮らせる島を目指す羽幌町天売の取組を紹介します。

(羽幌町の紹介)
羽幌町は、北海道北部の日本海側に位置し、沖合には天売島と焼尻島の二つの島を有しています。うち今回取材対象とした天売島は、面積5.5㎢、周囲約12km、人口350人ほどの小さな島ですが、世界でも珍しい「人と海鳥が共生する島」であり、暑寒別天売焼尻国定公園に指定されている自然豊かな地域です。

電力環境への不安から取組みが始まりました 
天売島の電力は、隣の焼尻島にある火力発電所から供給されています。海底ケーブルを利用して電力が供給されているため、災害時の電力源確保に不安を抱く島民も少なくないといいます。
災害時に電力の供給が止まったりすると、その復旧には相応の時間がかかります。また、天候が優れない場合などは、災害時の支援が届くまでに数日間も要する場合も考えられます。こうした状況に対応しうる電力源確保の検討をきっかけに本構想の作成が開始されました。
海鳥が繁殖する島としても有名な天売島。そうした自然と共存する島のイメージ戦略も兼ねて、平成24年度から自然エネルギーを活用した電力源確保を検討する「エコアイランド構想実証プロジェクト」事業が始まりました。

「エコアイランド構想実証プロジェクト」では、風力発電、太陽光発電の導入と電気自動車の試験的導入が行われています。

バードストライク防止に配慮しています 
haboro1_photo3.JPG天売島は、8種類百万羽の海鳥が3月から8月にかけて繁殖します。多くの観光客がこの海鳥を見るために来島する、貴重な観光資源です。
このような鳥の島で風力発電に取組もうとするのは、バードストライク※1の懸念も大きく、大変な困難が伴います。この課題を回避する方法として天売島では、小型の風車(1kwh級)を活用しています。
現在は、フェリーターミナルと天売小中学校の敷地に1機ずつ設置されており、天売小中学校には、太陽光発電パネルも併設されています。天売小中学校に設置された風力発電では、得られた電力を海鳥観察舎のカメラ電源に使用され、主に環境教育の場面で活用されています。
(右写真:フェリーターミナルに設置された小型風車(写真右側))

※1 バードストライクとは
鳥が構造物に衝突する事故を言います。風力発電が適する、風況の恵まれた場所は、鳥にとっても通り道になっている事が多く、しばしば衝突事故が発生、大きな課題となっています。

電気自動車を試験的に導入しています
haboro1_photo4.JPG島民の環境に対する意識の向上と緊急時の電源確保を目的として試験的に島内を走行しています。
平成24年度の取組みでは、2週間ほどの試験導入でしたが、25年度は観光業への活用も考慮に入れ、約2か月間導入しました。電気自動車が普及することにより、エコアイランドとしての天売の環境ブランド価値創造に寄与するとともに、その電気自動車の蓄電機能は、万が一の災害時緊急電源として活用することも想定しています。
(右写真:試験導入されている電気自動車)

[この取組によるCO₂削減量]
風車と電気自動車によって、まずは0.01t-CO₂を削減(H24年度)

※CO₂削減量は、天売島での実績値 風力発電量4.6kwh、電気自動車走行距離165kmを用いて環境財団が試算


天売島では、緊急時の島民の避難場所として天売小中学校を想定しており、建物の収容能力としては現在、全島民が避難できる容量が確保できているそうです。今後は、島民の避難時に3~4日間の生活分電力を自然エネルギーで創出することが目標となっています。

[羽幌町エコアイランド構想実証プロジェクトに関するお問い合わせ]

  羽幌町役場 総務課企画室政策推進係
   住所:北海道苫前郡羽幌町南町1番地1 
   電話:(0164)62-1211