環境教育と温暖化対策(実施地域:富良野市 取材年月:2014年10月)

日々の生活を見直す体験プログラム(NPO法人C・C・C富良野自然塾)

理論も実践も学べるプログラム
ドラマ「北の国から」の舞台である富良野市で取組まれている、NPO法人C・C・C富良野自然塾の「生活体験プログラム」をご紹介します。
地球の道.JPGこれまで富良野自然塾では、ゴルフ場跡地の自然返還事業や、地球の歴史と環境についての理解を深めるための「環境教育プログラム」などの活動を行ってきました。
この「環境教育プログラム」は、「森」と私たちの関係について学ぶ「緑の教室」、目隠しをして裸足になって歩き、大自然を感じる「裸足の道」、石でできた地球の模型を使って地球と太陽の関係を学ぶ「石の地球」、46億年の地球の歴史を460メートルの距離に置き換えた道を歩きながら学ぶ「46億年・地球の道」、富良野自然塾のスタッフが育てた苗木を植える「植樹」の5つで成り立っています。
自然とのつながりや、地球の歴史について、理論的に学べるよう設計された人気プログラムですが、日々の生活に学びを活かせるかどうかは、参加者にゆだねられていました。そのため、スタッフの間では、理論的な部分だけでなく、実践の部分も補えるようにしたいという議論がありました。
ちょうど同じ頃、東日本大震災が起こりました。自然塾のスタッフが被災地の避難所を訪れた時に、エネルギーの大切さを痛感し、普段の私たちの生活では火のつけ方すら知る機会がないと感じたそうです。
また、2010年に、脚本家の倉本聰氏が主宰していた富良野塾が閉塾しました。富良野塾は「あなたは文明に麻痺していませんか」という起草文を掲げて始まった、俳優、シナリオライターの養成塾で、農家に働きに出て生活費を稼ぎ、人力を頼りに共同生活を営みながら学ぶところでした。その跡地を利用して、かつて富良野塾生が営んでいたような、エネルギーを極力使わずに、自分の力を最大限使う暮らしを、スタッフ自らが経験しました。
その経験をもとに、今までの生活を見直して、自分たちにできることを考え、作られたのが、電気・ガス・石油を使わずに過ごす「生活体験プログラム」です。

エネルギーの使い方と日々の生活を見直す
今回は、2日間のプログラムを体験取材しました。1日目は、炊事などを自分の力で行ってみるプログラム、2日目は環境教育プログラムを体験します。2日間のプログラムを通じて、エネルギーと自分の生活の関わりや、地球環境とのつながりについて学び、考えることができます。
2014年7月に始まったばかりのプログラムですが、家族連れや夫婦、首都圏の企業のCSR担当者など多くの方々が参加しているそうです。
今回「生活体験プログラム」のサポートと、取材に対応して下さったのは、富良野自然塾の中島吾郎さん、田中由紀子さん、原田知典さんです。中島さんに、このプログラムを通して伝えたいことについて伺いました。
「私たちは、きれいな空気、きれいな水、きれいな土を次世代に残さなければなりません。どんなライフスタイルなら次世代まで続けられるのか、それを考え、実行するときなのではないでしょうか。いずれにせよ、化石燃料を大量に使う今の生活を未来永劫続けていける保障はありません。もちろん、化石燃料を全く使わない生活は現実的ではありませんが、使い方を見直すことはできます。今は、自分たちにあるエネルギーの範囲で、幸せを求めていくという考え方、価値観に気づくときだと考えています。家族や友人の近くで暮らし、ときどき何かを見たり、読んだりして、感動する。こうしたエネルギーを使わない生活は実現できると思っています」。
また、今後の展望についても伺いました。
「プログラム自体は試行段階ですが、『エネルギーを使わずに、自分たちの力でどこまでできるか』を伝えるべく、これからも発展させていく予定です。今後は、家畜体験を取り入れたり、自治体などとも協力してやっていけたらと思っています。今の課題は、採算を合わせることです。現時点で受け入れられる人数は、最大で10~15名程度。もう少し組織的にして、より多くの方にこのプログラムを体験してもらいたいと考えています」。
1日目.jpg
↑体験プログラム1日目の様子(クリックで拡大表示)
2日目.jpg
↑体験プログラム2日目の様子(クリックで拡大表示)

[生活体験プログラム に関するお問合せ] ・HPはこちら    ・本記事のPDFはこちら

SMBC環境プログラム NPO法人C・C・C富良野自然塾
 住所:富良野市下御料 
 電話: 0167-22-4019
 E-mail :shizenjuku@furano.ne.jp

スタッフ.JPG富良野プリンスホテルゴルフコースが閉鎖するのに伴い、そのゴルフ場跡地を植樹により元の森に再生しようと活動を開始。また、その森林再生の場を中心として、『地球』・『五感』をキーワードにした心に響く体感的なプログラムを子どもから大人まで、日本から世界まで広く届け、より多くの方々に地球環境と私たち人類の生き方を見つめ直してもらうべく環境教育活動を行っている。