介護老人保健施設で温暖化対策(実施地域:美唄市 取材年月:2013年9月)

全空気方式と冷水循環方式による雪冷房(社会福祉法人渓仁会コミュニティホーム美唄)

エネルギー効率の高い雪冷房の稼働を目指す
エコでホスピタリティの向上に取組む介護老人保健施設

コミュニティホーム美唄 (2).JPG介護老人保健施設「コミュニティホーム美唄」では、豪雪地帯であるという地域特性を活かし、雪をエネルギーとして活用する「雪冷房」を施設で活用しています。
「雪冷房」は、平成12年の施設開設とともに導入され、介護老人保健施設としては道内で最初に導入した施設です。開設から10年以上が経過した現在でも、施設の自慢の設備として活用され、改良・進化を遂げています。
雪冷房には、室温の低下が緩やかで適度な湿度が生まれるので体に優しく、フィルターなしでも空気が浄化される効果があるといいます。自然で快適な冷房であるとして利用者からの評判も高いコミュニティホーム美唄の雪冷房を紹介します。

(コミュニティホーム美唄の紹介)
コミュニティホーム美唄は、介護が必要な状態になっても住み慣れた美唄の地域で生活しながら家庭生活への復帰を目指す方々が入所している介護老人保健施設です。
主に入院治療の必要がない方に対し、看護・介護・リハビリテーションを中心とした医療サービスと日常生活サービスを提供しています。

グループ全体で環境活動に取組んでいます
コミュニティホーム美唄は、渓仁会グループの社会復帰・生活支援施設のうちの1つです。渓仁会グループは、医療・保健・福祉・介護を事業とするグループですが、環境を考えることはホスピタリティの向上にもつながるとの考えから、事業の中でさまざまな環境活動を実践しています。
グループの各施設でもさまざまな取組が展開されており、コミュニティホーム美唄の雪冷房もこういった環境活動の一環として位置づけられています。

この施設では、送風機を用いて貯雪庫内の冷やされた空気と室内の空気を循環させる「全空気方式」と、雪を溶かした冷水と室内の空気を熱交換器で接触させることで、空気の熱を奪って冷やす「冷水循環方式」の2つの雪冷房方式を採用しています。2つの併用により貯蔵した雪の持つエネルギーを無駄なく活用する工夫がされています。

冷房方式の特徴に合わせた利用をしています 
コミュニティホーム美唄 (23).JPG「全空気方式」は、部屋の空気が全て貯雪庫内に集約されるため、広い部屋を一度に冷やすのに適しています。コミュニティホーム美唄では、この特徴を考慮してデイルームや機能訓練室などの多人数で利用するオープンな広い空間に採用しています。
「冷水循環方式」では、温度調節された冷水を通すパイプを分けることで、複数の部屋の空気が混じることなく冷やせるため、細かな冷房調節が必要な部屋に適しています。そのため、この施設では、事務室や応接室などの比較的小さな空間に採用しています。
(右写真:貯雪庫内の様子。写真左側は、全空気方式により冷風を送るための設備。写真右側は、冷水循環方式で利用する融雪水を地下に貯めるしくみ)

【原稿用】コミュニティホーム美唄冷房システム図.jpg
※「コミュニティホーム美唄」提供資料抜粋

雪の長期保存・有効利用に向けて日々、改良を重ねています
コミュニティホーム美唄 (28).JPGこの施設では、576㎥の貯雪庫内の雪で毎年6月から8月の期間、雪冷房を利用できます。
更なる雪の長期保存での冷房期間延長を目指して、月毎の貯雪庫内の雪量データを集め、どのくらいのペースで雪が溶けてゆくのか、長期保存するにはどのような工夫が効果的なのかを検証する取組みが行われています。
また「冷水循環方式」については、冷房として利用する前後の融雪水の温度上昇の状況から、現行の冷房利用の場所以外でも利用が可能な状態にあることが確認され、今後は冷房する部屋を増やすことも検討されています。
このように、より効率の高い雪冷房の活用に向けて改良が重ねられています。
(右写真:貯雪庫)


[この取組によるCO₂削減量]
雪冷房の利用で年間 5t-CO₂削減

この施設では、雪冷房の活用により従来型の冷房システムに比べて運転にかかる電気代が約40%削減され、除雪費用の削減にもつながっているといいます。雪が持つ低温高湿度で除塵・脱臭の効果も期待できる雪冷房の普及が今後も期待されます。

[コミュニティホーム美唄の雪冷房に関するお問い合わせ]

  社会福祉法人渓仁会 介護老人保健施設コミュニティホーム美唄 経営管理部施設管理課
   住所:美唄市東5条南7丁目5-1
   電話:(0126)66-2001