●食の見直しは温暖化防止に繋がる!

日本の食糧自給率は約40%と大変低くなっています。これは、非常に多くの食べ物を輸入に頼っていることを示しています。さらに、日本は多くの食材を、”とても遠くから”輸入しているという特徴もあります。このため、日本のフードマイレージ( = 輸入「量」×輸送「距離」)は諸外国のそれと比べても突出しています。

 大量の食料を長距離にわたり輸送する、ということは、その輸送過程で多くのCO2を排出していることと同義です。輸入食材は大変なエネルギーをつかって、我々の食卓に運ばれてきているといえます。地域(道産)のものを地域(道内)で食べる、いわゆる「地産地消」は、道外や海外から食材を持ち込むことに比較すると、輸送の面から大きなCO2削減効果があるのです。

食料品店では、安心・安全への関心の高まりもあり、地域の食材を積極的に扱うようになってきています。そうした食材を活かした食を意識することは、地域経済への寄与はもちろん、温暖化防止への寄与も大きいものです。

●食材王国 北海道だからできる温暖化対策 

では、実際にどの程度のCO2排出量削減に結びつくのでしょうか。これは、輸入先、食材、輸送方法により大きく異なるため、一概に試算することは困難ですが、ここでは、例としてアメリカ(モンタナ州)から輸入される小麦1トン vs 北海道十勝地域で生産される小麦1トンを、札幌まで輸送する場合に排出されるCO2量を考えてみます。

まず、輸送手段は、海路がコンテナ船、陸路がトラックで輸送される場合を考えます。海路は1トンの積荷を1km運ぶのに20.7×10-3 kg-CO2-①※2、また、陸路は1トンの積荷を1キロ運ぶのに116×10-3 kg-CO2-②※3という排出係数を利用します。これら数値を用いると、CO2排出量は下記の式で計算できます。

輸送に際し排出される二酸化炭素量 = (①×海路輸送距離 + ②×陸路輸送距離)×輸送量

さて、アメリカから札幌までのおおよその距離は、海路8,270km、陸路が1,912kmですから、輸送に際し排出されるCO2量は上記計算式より、およそ393 kg-CO2、一方、十勝から札幌までのおおよその距離は陸路で212 km ですから、およそ 25 kg-CO2 と計算できます。この輸送に際して排出されるCO2排出量を比較すると、十勝産はアメリカ産に比べるとほんの5%程度ということになります。

この通り、「地域のものを地域で食す」ということは、CO2排出量削減に結びつくと言えます。特に、我々の住むこの北海道は、日本一の生産量を誇る食材は「32※4」にものぼり、また、北海道に限った食料自給率では、約200%にも達しているのです(左図※5参照)。安心・安全な食材への関心の高まりとともに地域産食材が見直されていますが、そこに「地産地消=温暖化対策」という理解を加えていただき、多くの方に実践していただければと思います。

※1:農林水産政策研究 第5号(2003)P45-p59)
※2:財団法人シップ・アンド・オーシャン財団(2001)平成12年度 船舶からの温室効果ガス(CO2等)の排出削減に関する調査研究報告書 pp.86-92 より、コンテナ船利用を想定した値を利用
※3:社団法人日本ロジスティクスシステム協会(2005)2004年度 環境調和型ロジスティクス調査報告書 pp42-44 より、10トンクラス小型普通貨物車(軽油)積載率80%を想定した値を利用
※4:北海道洞爺湖サミット道民会議公式ガイドブック 北海道エリアガイドP34-P35)
※5:都道府県別食料自給率(農林水産省 平成20年3月)より平成17年度確定値を用いて作成